青春を引きずる女、『ヤング≒アダルト』

あらすじ
アラフォーでバツイチ、超タカビーなゴーストライターの女が妻子持ちの元彼を奪取すべく田舎に舞い戻って暴れます。

人生のうちいつが一番輝いていたか。まだまだ先が長いであろう私にはこれから最も輝く時期が来るかもしれないと言いたいところだが、やはり高校時代と大学時代が一番充実してキラキラしていたような気がする。私の学校生活は幸いなことに「このブス女!」と罵られたり、教科書に「ヤリマン」と落書きされたり、机の上に菊の花を手向けられたりということもなく、どちらかというとこの主人公寄りの部類に入るのではないかと思う。先生には可愛がられたし親友と呼べる友もいたし、学園祭のライブやミスコンに出るような生徒だったのです。そういった周りからちやほやされることが当たり前な生活に慣れてしまうと人間は謙虚さを失い、根拠のない自信に満ち溢れ、高慢な態度を取ってしまうことが多々あるのです。主人公のメイビスもその美しさには文句のつけようがないものの、だらしない横着者で部屋が汚かったり(ドキッ)思い込みが激しくて突っ走ったり(ドキドキッ)自分が常に一番でないと気がすまないところが周囲から浮いてしまう原因になっている。


元彼のバディとその妻はほんわか仲良し夫婦で、妻子を捨ててメイビスと元鞘に戻る兆候なんて微塵も見られない。もしもこの夫婦が主人公だったらメイビスはただの勘違い女という面しか見えずにいたかもしれない。しかし、彼女のいいところはその実直さだと思うのです。この映画でメイビスがサイコなビッチに成り下がらなかったのは級友のマットの存在が大きいと思う。マットはメイビスと対照的で暗い学生生活を送り、ゲイを疑われてちんこをフルボッコにされ身体障害者となったが、自分なりの楽しみを持って孤独ながらも平穏に暮らしている。メイビスは見た目も不細工で男としての機能も疑わしい彼に対して侮蔑と憐れみを露にしながらも、自分を繕うことなく意見を述べ、強がりも弱みも見せる。一見正反対に見えるこの二人は他人から理解されにくいが故の孤独という点に関しては共通していたのではないだろうか。

↑完全にビッチメイクです。


↑赤子を前にまったく可愛いと思っていないこの顔(笑)

シャーリーズ・セロンは本当に美しくて二日酔いでそのままバタンキューした後のぼさぼさでよれよれでも素材がよいので見るに耐えられる。特にヌーブラ+ストッキングのみの姿を堂々と見せたのはなんかもう驚き通り越して賞賛の拍手!いやでもやっぱりヌーブラとストッキングでのベッドシーンはなんか自分の私生活を第三者の目で覗き見ているようでなんとも言えない恥ずかしさがあったんだけども(笑)

女性にしろ男性にしろこの主人公に共感する人は少ないと思うけど私は割と共感できました。というか自分もかなりこういう傾向があるのでよい戒めとなりました。はは。過去の栄光にばかりすがっていないで現在の自分を輝かす生き方をしたいものですね。

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